医療法人永世会は佐賀県で患者様に優しい、開かれた眼科医療をご提供いたします。

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小児眼科

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子どもの視力について

お子様の目の異常は、早期発見が重要です。
視機能の発達は6歳頃までに完成するため、幼児期は最も大切な時期です。 お子様はうまく自分の症状を伝えることができないため、なかなか気づくことができませんが、少しでも異常に気がついたときは必ず眼科を受診しましょう。

個人差はありますが、3歳頃から検査は可能です。
幼児の検査は慣れや練習を必要とし、一度の来院で全ての検査・診察ができないことが多く、何度か来院をお願いする場合もあります。

また、経過観察が必要と医師が判断した場合には、その後のお子様の検査は“視能訓練士”という国家資格を持った専門のスタッフが行います。
お一人お一人に対応するには時間もかかってしまうため、視能訓練士の検査は予約制となっております。受診の際には事前にご予約ください(初診時を除く)。

当院では、「3Dビジュアルファンクショントレーナー ORTe(オルテ)」を導入しています。
お子様が楽しく遊び感覚で検査・訓練を行うことができます。

この機械は1台で様々な検査・訓練が可能で、最新の専用フルハイビジョン3Dモニターによって、 視標を提示します。検査や訓練の種類ごとに移動する必要がなく、多くの検査や訓練が同じ器機で行えます。

検査
  • ①視力検査
  • ②同時視(眼位検査)
  • ③融像検査
  • ④立体視検査
  • ⑤HESS検査
  • ⑥深視力検査
訓練
  • ①弱視訓練
  • ②抑制除去訓練(斜視訓練)
  • ③融像訓練
  • ④立体視訓練
  • ⑤深視力訓練
3Dビジュアルファンクショントレーナー ORTe(オルテ)

3Dビジュアルファンクショントレーナー オルテ

この機械を用いて行う検査・訓練は、すべて偏光フィルター眼鏡をかけて行いますが、両眼開放で片眼毎に異なる映像を同時に提示することができるため、遮蔽を嫌がるお子様もスムーズに検査・訓練が行えます。

飽きやすい子どもの集中力を持続させる様々なキャラクター視標があります。 アリやチョウを捕まえるキャッチゲームや、風船を割るタッチゲームなど、様々なゲームやキャラクターを使って訓練を行うので、お子様には楽しく遊び感覚で、かつ効果的な訓練を行うことができます。

屈折検査

目の屈折度数(遠視・近視・乱視)を調べます。

弱視を早期発見するために

当院では、ウェルチ・アレン社の「スポットビジョンスクリーナー」という携帯型屈折検査機器を導入しています。 生後6ヶ月の乳児から測定が可能で、お子様には数秒間、カメラのような機器を見つめてもらう(写真を撮るような感覚)だけで、弱視の原因となる屈折異常や斜視の有無を大まかに検出することができます。機械に顎をのせてじっとしていられない幼児にも有効な検査です。

スポットビジョンスクリーナー

スポットビジョンスクリーナー

屈折検査

視力検査

絵ひとつ視標・ランドルト環など、こどもの年齢に応じて検査方法が異なります。

3歳頃から視力検査は行いますが、「C」(ランドルト環)を見せて、「輪っかの切れ目はどっち?」で理解できるお子様はそう多くはありません。
少しでもスムーズに検査が出来るよう、受診する前にはご自宅で練習をしましょう。嫌がっているときには無理強いせず、遊び感覚で練習してください。 できるようになれば検査の日が待ち遠しくなってくれます。

視力検査

当院では、「たべたのだあれ?」という視力検査キットを準備しています。
ランドルト環を一口かじられたドーナツに見立て、四方に書かれた動物を答えてもらい練習する絵本です。

ドーナツ
たべたのだあれ?で遊ぶ子供
たべたのだあれ?キット
たべたのだあれ?キット

眼位眼球運動検査

片目ずつ目を隠して斜視があるかどうかを調べます。

プリズムバー

プリズムバー

立体視検査

弱視や斜視があると両眼で物を見ることができず、立体感をうまく認知できません。このため、両眼を使ってきちんと物が見えているか、立体的に物が見えているかを調べます。

チトマスステレオテスト
チトマスステレオテスト

偏光レンズをかけて、視標が浮き上がって見えるか確認します。(近見立体視)

3Dビジュアルファンクショントレーナーオルテ
3Dビジュアルファンクショントレーナーオルテ

偏光レンズをかけて、視標が浮き上がって見えるか確認します。

色覚検査

当院では、以下の3種類の色覚検査を実施しています。まずは、石原式色覚表でスクリーニング検査を行い、異常が疑われる場合は、希望者に「パネルD15」および「アノマロスコープ」検査を行います。

  • 「パネルD15」は異常の程度(中等度以下か強度か)が知りたい場合(所要時間は15分程度)
  • 「アノマロスコープ」は色覚異常の分類が知りたい場合(所要時間は30分から1時間程度)

仮性同色表(石原式色覚検査表)

正常と異常とを区別するスクリ-ニング検査です。 色覚異常者には分かりにくい色の組み合せを使って描かれている数字を読んでもらい判定を行います。

このスクリーニング検査は色覚異常の可能性を指摘するものであり、確定診断するものではありません。 正常か異常かの区別が簡単に分かりますが、正常者が異常の疑いありとされることもあります。
21表中誤りが4表以下を正常、5~7表を色覚異常疑い、8表以上を色覚異常と判断します。

仮性同色表(石原式色覚検査表)
仮性同色表(石原式色覚検査表)

仮性同色表(石原式色覚検査表)
仮性同色表(石原式色覚検査表)

色相配列検査 パネルD15

色相配列検査 パネルD15

色覚異常の異常度合いを調べる(中等度以下と強度に分類する)検査です。赤、橙、黄橙、黄、黄緑、緑、青緑、緑青、青紫、紫、赤紫、と少しずつ色が変わってまたもとの赤になることを色相環といいますが、この色相環に沿って少しずつ色の違った15色のキャップをばらばらの状態から、順々に並べてもらう検査です。

色覚異常の方でも程度が軽ければ正しく並べることができますが、程度の強い人は正常とは異なる並べ方をします。その場合は1型色覚異常と2型色覚異常とで並べ方の特徴が違うため、その特徴を見て分類が可能です。しかしこの検査で異常が見られなくても“色覚正常”とは判断できないため、確定診断することはできません。
パネルD15でパスした場合は中等度以下の色覚異常、フェイル(パスしなかった)の場合は強度色覚異常と判断します。(パターンによって1型と2型に分類されます)

アノマロスコープ

色覚異常の型・分類を調べ、確定診断をする検査です。特定の光を用いて色合わせ法 (等色法) を行うことを目的とした検査です。

アノマロスコープ
アノマロスコープ

アノマロスコープは、上下2つに分けられた丸があり、上半分は緑→黄色→赤へと変化し、下半分は黄色の明るさ(明るい黄色・暗い黄色)を変化させて、上下の色と明るさが同一になったと認められた範囲を記録します。この座標(混色割合、黄色の強さ)の位置や範囲から診断をします。