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緑内障治療

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緑内障

緑内障とは眼圧の上昇によって視神経が障害され、視野が欠けたり狭くなったりする病気です。 治療は「眼圧を下げること」ですが、一度障害された視神経を元に戻すことは出来ないため、 緑内障の治療は、進行を食い止めることが目標となります。

眼圧について

目のはたらきや形状を正常に維持するには、眼球に適度な張りが保たれていなければなりません。その張りを保っているのが眼球内の圧力、すなわち「眼圧」です。 眼圧は時間や季節によって多少変動しますが、ほぼ一定の値を保っています。このはたらきをするのが、毛様体から分泌される「房水」という水分です。房水は血液の代わりとなって目の中に栄養などを運び、常に産生・排出を繰り返してバランスをとっています。ところが、何らかの原因で房水の通り道が詰まるなどして排出がうまくいかなくなると、房水がたまって、眼圧が上がります。すると、慢性的に視神経が圧迫され、視野が障害されます。

眼圧について

眼圧の正常値

眼圧は10~20mmHgが正常範囲とされています。しかし、同じ眼圧でも緑内障を発症する人としない人がいます。
これは、視神経が眼圧に対して強いか弱いかが関係しており、その人にとって高すぎると視神経が障害されます。緑内障患者では、正常値と言われる10mmHgでも視野欠損が進行する場合があります。

緑内障の治療

緑内障の治療では、まず点眼療法を行います。定期的に眼圧検査と視野検査を行い、その結果を見ながら、効果が十分でなければ、点眼薬を変更したり、2~3種類を併用することもあります。 それでも眼圧が下がらない場合はレーザー治療や手術治療を行います。

静的視野計ハンフリーHFA740Ⅱ(カールツァイス)

静的視野計
ハンフリーHFA740Ⅱ(カールツァイス)

光干渉断層計シラス HD-OCT plus(カールツァイス)

光干渉断層計
シラス HD-OCT plus(カールツァイス)

レーザー治療

マイクロパルスレーザー繊維柱帯形成術(MLT)

点眼だけでは眼圧下降が不十分な場合に、レーザー治療(繊維柱帯形成術)を行います。
房水の排出口(繊維柱帯)にレーザー照射することで目詰まりを解消し、房水の排出を促進するための治療です。
レーザー治療の効果は、時間の経過とともに減弱するため、眼圧が再度上昇することがあります。この場合、再度レーザー治療を行う必要がありますが、従来の選択的レーザー線維柱帯形成術(SLT)では色素細胞を破壊しているため同一部位には照射できず、追加照射を行う場合は別の部位に施行しなければなりませんでした。
一方でMLTでは繊維柱帯細胞を破壊しないため、同一部位に繰り返し照射が可能です。

ピュアイエロー・レーザー光凝固装置 IQ577

ピュアイエロー・
レーザー光凝固装置
IQ577

レーザー虹彩切開術(LI)

緑内障の急性発作を起こした場合、あるいは将来、起こす可能性のある狭隅角眼に対して行います。レーザーで虹彩に小さな孔を一か所あけ、房水が前房へ排出されるためのバイパスをつくり眼圧下降を図ります。

手術治療

白内障手術併用緑内障手術(アイステント手術)

白内障手術と併用して長さ約1㎜のアイステントというチタン製の小さな器具を隅角(線維柱帯)に留置する手術方法です。アイステント自体が房水流出路の役割をし、眼圧を下げる効果があります。

アイステントは、2018年に保険適応となった新しい手術方法で、日本眼科学会の指導の下の講習会を受講し、アイステントに関する技能や手技に伴う合併症等の知識を得た医師のみが行える手術です。

アイステント
  • 1回の手術で白内障手術と緑内障手術が可能
  • 白内障手術時に小切開創を通して器具を留置するため低侵襲

保険点数上、白内障手術と同時に行わなければ算定できない手術のため、既に白内障手術を受けている方は適応外となります。
また、緑内障が重症化している場合はこの手術の適応はありません。

流出路再建術(トラベクトーム手術)

トラベクトームという電気メスを挿入し、房水の流れを良くするために、詰まっている排出口(繊維柱帯)を切除します。

従来の緑内障手術は、結膜・強膜を切開して手術を行いますが、トラベクトーム手術では結膜・強膜を切開しません。

※緑内障が重症化している場合は、結膜・境膜を切開して手術を行うこともあります。

流出路再建術(トラベクトーム手術)
緑内障手術装置トラベクトーム

緑内障手術装置トラベクトーム

  • 切開創が小さいため低侵襲
  • 手術時間が2~3分と短いため、眼球への負担が少ない
トラベクトーム
トラベクトーム

毛様体光凝固術

房水を作り分泌する毛様体にマイクロパルスレーザーを照射して光凝固を行い、眼圧を下げる手術です。
従来のダイオードレーザーでは毛様体を破壊するため、術中の強い痛みや、術後の炎症、視力低下などの合併症を伴うので、他の手術が施行不能の血管新生緑内障に対して最終的な手段として行っていました。
一方で、マイクロパルスレーザーでは低エネルギーでの治療が可能なため、痛みや合併症がほとんどありません。また、繰り返し照射することも可能です。

緑内障レーザー治療装置 CYCLOG6

緑内障レーザー治療装置 CYCLOG6