眼内コンタクトレンズICL・IPCL

角膜を削らない視力矯正

「ICL・IPCL」とは、レーシックのように角膜を削らず、レンズを目の中に入れることで視力矯正を行う手術方法です。
通常のコンタクトレンズとは違って、ケアや交換の必要はなく、長期間視力を保つことが出来ます。
また、将来白内障になった時や、他の手術を必要とするときにはレンズを取り出すこともできる「可逆性」も大きな特徴です。

レーシック適応外をカバー

レーシックは、高度近視の方には適応がありません。
近視が強いとたくさん角膜を削る必要がありますが、角膜は薄くなりすぎると強度を保てなくなってしまいます。
このため、高度近視の方、もともと角膜が薄い方にはレーシックの適応がありません。
ICLでは角膜を削らないため、近視の量や角膜の厚みに関係なく手術が可能です。

鮮やかな見え方

レーシックでは、角膜を削ることで「収差」という光の結像のズレ、像のボヤケが多少は発生します。
ICL・IPCLは角膜を削らないため、収差の増加が最小限であり、コントラスト感度の低下がありません。クリアで鮮やかな見え方、立体感を実感でき見え方の質を向上させます。

近視の戻りがない

近視や乱視が強めの方の場合、レーシックによる視力矯正では術後数年で視力が少し戻ってきてしまう傾向があります。これを近視の戻りと言います。ICLでは、このような視力の戻りが大変少なく、近視の度数が進行しない限り、長期的に安定した視力が期待できます。

ドライアイになりにくい

レーシックでフラップを作成する場合、知覚神経が切断されるため一時的にドライアイが生じやすくなります。通常、切断された神経は3カ月～半年程度で元に戻るのですが、ICL・IPCLではフラップを作らず、切開創が小さいためドライアイが生じることがありません。

長期安定性

通常のコンタクトレンズとは違って、ケアや交換の必要はなく、長期間視力を保つことが出来ます。
レンズは、目にやさしい生体適合性の高い素材でできているため、眼内で生体組織と認識されて防御反応(炎症)が起きづらく、半永久的にインプラントが可能です。

ICL

メーカー	STAAR Surgical（アメリカ）
レンズの素材	コラマー（Collamer）
老眼対応	なし
レンズのパワー	近視：-3.0D～-18.0D 乱視：+1.0D～+4.5D
認可	厚生労働省、米国FDA、CEマーク

ICLはアメリカSTAAR社で開発された後房型の有水晶体眼内レンズです。1997年にヨーロッパでCEマーク（EU加盟国内で安全性を認められたもの）を取得し、世界75カ国で認可を受けており、全世界で200万件以上の実績があります。
日本では2003年より治験が開始され、2010年に厚生労働省で認可されました。

ICLの素材

ICLはHEMA（ハイドロキシエチルメタクリレート）とコラーゲンの共重合体素材「コラマー（Collamer）」で作られています。
コラマーは含有するコラーゲンによってマイナス荷電を帯びており、タンパク質などの粒子が沈着せず、長期にわたって眼内で安定します。
生体適合性が高い素材で、眼内で生体組織として認識されるため、防御反応（炎症）が起こりにくいという特徴があります。

ICL・眼内コンタクトレンズ公式｜角膜を削らない視力矯正 (discovericl.com)

IPCL

メーカー	EyeOL（イギリス）
レンズの素材	ハイブリッド親水性アクリル
老眼対応	あり（回折型3焦点）
レンズのパワー単焦点	近視・遠視：-30.0D～+15.0D 乱視：+0.5D～+10.0D
レンズのパワー多焦点	近視・乱視：-15.0D～+15.0D 遠視：+1.0D～+4.0D
認可	CEマーク

IPCLはイギリスEyeOL社から2014年に発売された新しい後房型の有水晶体眼内レンズです。2017年にヨーロッパでCEマーク（EU加盟国内で安全性を認められたもの）を取得し、全世界40カ国以上で20万件以上の実績があます。
日本では2015年より使用実績がありますが、日本国内ではまだ認可されていない眼内レンズです。

IPCLの素材

IPCLは「ハイブリット親水性アクリル」という素材で作られています。ハイブリット素材を用いることで、タンパク質などの粒子が沈着せず、ICLと同様に長期にわたって眼内で安定します。また、「エクセレントクリアーサーフェイス」という新しい技術によりICLのコラマー素材よりもレンズの表面構造がスムーズでクリアなため、見え方の質が高いと評価されています。

IPCLには40才以上の老眼用として多焦点IPCL（Presbyopic IPCL V2.0）もあります。
回折型の3焦点多焦点眼内レンズで、遠方50％、近方30％、中間20％にエネルギーが配分される構造になっています。
老眼用のIPCLは、多焦点眼内レンズに特有のコントラスト感度の低下やハロー・グレアはありますが、老眼鏡なしでの手元の見え方を大幅に改善することが可能です。

手術費用

	ICL	IPCL	IPCL（多焦点）
手術費用（両眼）	乱視なし 770,000円乱視あり 880,000円	乱視なし 660,000円乱視あり 770,000円	乱視なし 990,000円乱視あり 1,100,000円
術前検査	55,000円	55,000円	55,000円

価格は全て税込価格です。

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