翼状片
翼状片は、結膜(白目の部分)が角膜(黒目の部分)へ三角状に伸び、覆いかぶさる病気です。鼻側から増殖を始め、黒目の方向に何年もかけて少しずつ侵入します。原因ははっきりとわかっていませんが、加齢や紫外線、ほこりなど慢性的な外界の刺激によるものと考えられています。
症状
初期はごろごろとした異物感や充血を伴う程度ですが、少し進行すると角膜が歪み、乱視が出てきます。さらに翼状片が黒目の中央にまで進行すれば視力が低下します。
治療
翼状片自体は悪性の組織ではなく、症状がなければ放置しても問題はありません。
充血や異物感が強くなってくればステロイドの点眼薬で炎症を抑えるなどして様子を見ます。ただし、点眼治療で翼状片が退縮することはないため、進行して視力に影響が出だした場合には、手術をして切除する以外に治療はありません。
初期のうちに手術すると極めて再発しやすく、また再発のたびに手術すると、球結膜が足りなくなって目に障害を起こす場合もあります。反対に、翼状片の先端が瞳孔(黒目の中央)付近にまで及ぶと、手術しても視力が回復しにくいことがあるため、翼状片が角膜の4分の1を覆うくらいまで伸びた時期が手術の適応です。
手術
手術では、角膜上に伸びた翼状片とともに異常な球結膜を切除します。
その後、残った翼状片と黒目の間に周囲の正常な結膜を伸ばして移植し、切除した部位を覆います。
さらに、再発を予防するために、抗がん剤のマイトマイシンを術中に使うこともあります。
手術時間は15~20分程度です。結膜を縫合するため抜糸をするまでの1週間程度はゴロゴロした異物感があります。
負担割合 | 負担費用 |
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1割負担 | 4,000円程度 |
2割負担 | 8,000円程度 |
3割負担 | 12,000円程度 |