網膜静脈閉塞症
網膜静脈閉塞症とは、網膜静脈に血栓ができて血管が詰まる病気です。
50歳以上の方に起きやすい病気で、高血圧、糖尿病、動脈硬化がある方が発症しやすいと言われています。
視神経内の静脈の根元が閉塞した場合を
正常な状態
網膜中心静脈閉塞症
網膜静脈分枝閉塞症
網膜静脈閉塞症の種類
網膜中心静脈閉塞症
静脈の根元が閉塞するため、網膜全体に血液や水分が漏れて、眼底出血や黄斑浮腫が起こり、急激な視力低下を自覚します。
適切な治療を行っても視力はあまり回復しません。
網膜静脈分枝閉塞症
静脈の閉塞した場所の上流部分で血液や水分が漏れ、眼底出血や網膜浮腫が起こります。
血管が詰まった場所によって症状の現れ方はさまざまで、視力低下を自覚することもあれば、全く気付かないこともあります。
網膜静脈閉塞症の治療方法
- レーザー治療
- 硝子体内注射
- 硝子体手術
レーザー治療(網膜光凝固術)
浮腫が起きている部分をレーザー光で凝固し、浮腫を改善させます。
また、新生血管(異常な血管)の出現を予防することもできます。
当院で導入しているレーザー光凝固装置
PASCAL(パスカル)
- 1回の照射で複数の凝固が可能(はんこ注射のようなイメージ)
→従来は片眼につき5~6回に分けていた治療が、2~3回で終了 - レーザー1発あたりの照射時間が従来の10分の1(0.02秒)に短縮
→痛みの軽減
硝子体内注射(抗血管新生薬療法)
黄斑浮腫の原因物質の活動性を失わせる抗体を眼球内に注射して黄斑浮腫を改善させます。
硝子体手術
黄斑部浮腫や硝子体出血に対して、硝子体を切除して浮腫を軽減したり、出血を吸引したりします。